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「植物科学研究の産業化」
バイオサイエンス研究科 教授 新名 惇彦 |
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植物もバイオの時代の一翼を担っているが、産業化は医学・薬学にくらべスピードは鈍い。特に遺伝し組み替え技術が絡むと。中期的には植物科学研究は食料・資源・環境・エネルギーなど、21世紀の基幹産業の主役である。今回は、現時点での産業化シーズを幾つか紹介します。 |
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「毒とくすりは使いよう:毒素の疾患モデルマウス作製への応用」
遺伝子教育研究センター 教授 河野 憲二 |
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ジフテリア毒素はヒトには害をもたらす毒素であるが、面白いことにマウスやラットは毒素に耐性を示している。この違いを利用して、マウス生体内の狙った細胞のみに障害を与える方法を考案し、ヒト疾患モデルマウスを作製することに成功した。これらのモデルマウスは疾病治療や再生医療への応用に貢献するものである。 |
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「記憶(記憶量)は定量化できるか?」
バイオサイエンス研究科 教授 塩坂 貞夫 |
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一般的にいかにも定量しているように表現されているが、その実態が分からないものが多い。たとえば、免疫力が高いとか強いストレスがかかっているとかいうものである。記憶もその一つであり、誰も測定したことがないにもかかわらず、記憶力がいいとか悪いとか表現される。なぜであろうか。ひとつには記憶というものは一つ一つ別の種類の事象の脳内蓄積の総和としてあるもので、単純な1種類の記憶の増減によって測定できないものであるからと思われます。しかし、膨大な記憶が単純な記憶形成システムに集約できるなら、その定量化は不可能ではないと考えられる。我々は海馬のシナプス構造変化が短期および長期記憶に関連する可能性について検討し、さらに、シナプス構造可塑性に関連するプロテアーゼを定量化することから、これが記憶力の定量化となるかどうか検討している。まだまだこれからの研究であるが、ご意見をいただければ幸いです。 |