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「カフェイン生合成系を利用する」
遺伝子教育センター 教授 佐野 浩 |
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概要:コーヒーの覚醒作用はカフェインに起因し、夕方、摂取すると眠れなくなる人も多い。殺虫効果も高い。薬理的にはフォスフォジエステラーゼ活性を阻害し、生体機能を変化させることが分かっています。私たちはコーヒーのカフェイン生合成系に関わる酵素遺伝子を単離しました。その発現をRNAi法によって抑制した組換えコーヒーを作成したところ、内在性カフェインが最大で70%減少しており、デカフェコーヒーとしての利用や、また、その反対に有用植物でカフェインを合成させることも可能で、害虫忌避に有効です。現在、そのモデル系を作成しています。これらの取り組みについてご紹介します。 |
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「真に臨床応用できる多能性幹細胞をめざして」
遺伝子教育センター 教授 山中 伸弥 |
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概要:幹細胞を利用した細胞移植療法が、パーキンソン病や糖尿病など様々な疾患に対して期待されています。胚性幹(ES)細胞は高い増殖能と分化多能性を有することから、移植療法の資源として注目されています。しかしES細胞は受精卵の利用という致命的な倫理的問題を有します。またES細胞を移植すると腫瘍ができるという問題もあります。これらの問題解決をめざした私たちの取り組みについてご紹介します。 |
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「バクテリアのポストゲノム解析」
遺伝子教育センター 教授 森 浩禎 |
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概要:私たちは1989年に始まった大腸菌ゲノムプロジェクトを1997年に完成させ、さらにポストゲノム解析を展開しています。その成果として、全予測遺伝子のクローン化と欠失株作製を精力的に進めてきました。これらのリソース群を利用し、大腸菌というモデル生物を利用して細胞の生命活動の全貌を明らかにするべくシステマティックな解析を進めており、その概要を紹介します。 |